農地を所有していて、売却を検討されている方にとって、手続きや流れ、費用など、多くの疑問があるのではないでしょうか。
農地の売却は、一般の土地売却とは異なる点が多く、スムーズに進めるためには、事前に情報をしっかりと把握しておくことが大切です。
今回は、農地売却に関わる様々な情報を、分かりやすく解説します。
農地売却の2つの方法・農地のままか転用するか
農地売却には大きく分けて2つの方法があります。
一つは「農地のまま売却する方法」、もう一つは「農地を転用して売却する方法」です。
どちらの方法を選ぶかは、土地の状況や売却目的、そしてご自身の希望によって異なります。
それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
農地のまま売却する方法・メリットデメリット
農地のまま売却する方法は、最もシンプルな方法です。
手続きが比較的容易で、費用を抑えられるというメリットがあります。
しかし、買い手は農家や農業法人などに限定されるため、売却に時間がかかる可能性や、価格が低くなる可能性も考慮する必要があります。
1: メリット
手続きが比較的簡単、費用が抑えられる。
2: デメリット
買い手は農家などに限定される、売却に時間がかかる可能性がある、価格が低くなる可能性がある。
3: 買い手探し
近隣の農家への直接交渉、農業協同組合(JA)への相談、農地売買を専門とする不動産会社への依頼など。
農地を転用して売却する方法・メリットデメリット・手続きの流れ
農地を転用して売却する方法は、農地以外の用途(宅地、商業地など)に変更してから売却する方法です。
より多くの買い手にアプローチできるため、高価格での売却が期待できる一方、手続きが複雑で、時間と費用がかかるというデメリットがあります。
転用には、農業委員会の許可が必要となります。
1: メリット
買い手の選択肢が広がる、高価格での売却が期待できる。
2: デメリット
手続きが複雑、時間と費用がかかる、農業委員会の許可が必要。
3: 手続きの流れ
1: 転用計画の立案:どのような用途に転用するかを具体的に計画します。
2: 関係機関への協議:市町村役場、農業委員会など関係機関と協議を行い、転用計画の妥当性を確認します。
3: 許可申請:農業委員会に農地転用許可申請書を提出します。
必要な書類は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
4: 審査:農業委員会が申請内容を審査します。
審査期間は数ヶ月かかる場合もあります。
5: 許可決定:審査の結果、許可が下りれば転用できます。
6: 土地改良工事(必要に応じて):転用後の土地の状態を整えるための工事です。
7: 登記変更:地目を変更する登記手続きを行います。
農地売却の流れと必要な手続き
農地売却の流れは、農地のまま売却する場合と転用して売却する場合で異なります。
それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。
農地のまま売却する場合の手続き
1: 買い手探し
近隣の農家、JA、不動産会社などを通して買い手を探します。
2: 売買契約
買い手が見つかったら、売買契約を締結します。
契約書には、売買価格、決済日、その他重要な事項を明記します。
3: 農業委員会への許可申請
農地法に基づき、農業委員会に売買許可申請を行います。
必要な書類は、売買契約書、土地の登記事項証明書、所有者の身分証明書などです。
4: 許可取得
農業委員会の審査を経て、許可が下りれば売買は完了です。
5: 所有権移転登記
土地の所有権を買い手に移転する登記手続きを行います。
農地転用して売却する場合の手続き・許可申請のポイント
境界ブロックの所有権が不明確な場合は、まず隣家と話し合い、設置時期や費用負担者などを確認することが重要です。
話し合いがまとまらない場合は、土地家屋調査士や弁護士などの専門家に相談し、所有権の確認や境界確定の手続きを行うことをお勧めします。
1: 転用計画の策定
転用目的、計画内容を具体的に記述した計画書を作成します。
2: 関係機関との協議
市町村、農業委員会など関係機関と協議し、計画内容の妥当性を確認します。
3: 許可申請
農業委員会に農地転用許可申請書を提出します。
申請書類は自治体によって異なります。
4: 審査
農業委員会が申請内容を審査します。
審査期間は数ヶ月かかる場合もあります。
5: 許可取得
許可が下りれば、転用できます。
6: 土地改良工事(必要に応じて)
転用後の土地の状態を整えるための工事です。
7: 登記変更
地目を変更する登記手続きを行います。
8: 売買契約
転用後、買い手を探し、売買契約を締結します。
9: 所有権移転登記
土地の所有権を買い手に移転する登記手続きを行います。
農地売却にかかる費用と税金
農地売却には、様々な費用と税金がかかります。
事前に把握しておきましょう。
参考URL
高松市 農地の売買、贈与、貸借の許可(農地法第3条)について
仲介手数料
不動産会社を利用する場合は、仲介手数料が発生します。
手数料の割合は、売買価格の3%+6万円(消費税別)が一般的ですが、農地売買の場合、必ずしもこの割合に限定されません。
事前に不動産会社とよく相談しましょう。
行政書士費用
許可申請などの手続きを行政書士に依頼する場合、報酬が発生します。
報酬額は、手続きの内容や複雑さによって異なります。
譲渡所得税
売却益に対して譲渡所得税が課税されます。
税率は、所有期間によって異なり、5年以内は短期譲渡所得、5年以上は長期譲渡所得として計算されます。
その他費用
登記費用、測量費用、土地改良費用など、その他諸費用も発生する可能性があります。
まとめ
この記事では、農地売却の方法、流れ、費用、税金について解説しました。
農地の売却は、一般の土地売却とは異なる点が多く、手続きが複雑な場合があります。
農地のまま売却するか、転用して売却するかの判断、農業委員会への許可申請、そして税金対策など、様々な要素を考慮する必要があります。
売却を成功させるためには、事前に情報を十分に集め、必要に応じて専門家(不動産会社、行政書士など)に相談することが重要です。